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コラム
2026/09/21
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「Deep Plane Faceliftは11年もつ」
SNSやインターネットで、このような情報を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際に、Deep Plane Faceliftを受けた患者さんが平均約11年後に再手術を受けていたという論文は存在します。
しかし、この数字だけを見て「Deep Planeなら11年間効果が続く」と考えるのは正確ではありません。
今回は、フェイスリフトの持続期間について、論文の内容と実際の臨床経験を踏まえて解説します。

この論文で調査されているのは、再手術を受けた患者さんです。
また、単一術者の診療記録を後ろ向きに解析した研究であり、すべての患者さんを長期間追跡して「何年効果が続いたか」を調べた研究ではありません。
つまり、
• 術後の結果に満足し、再手術を希望しなかった方
• 他院で再手術を受けた方
• 年齢や健康上の理由で再手術を受けなかった方
このような患者さんは研究の対象には含まれていません。
そのため、この研究から言えるのは、
「再手術を受けた患者さんでは、平均約11年後に再手術が行われていた」
という事実です。
決して、
「Deep Plane Faceliftの効果は11年間保証される」
という意味ではありません。
論文を読む際は、結論だけではなく、「どのような患者さんを対象にした研究なのか」を確認することが非常に重要です。

SNSでは、
「Deep Planeを受けたのに1年くらいで戻った」
という体験談を見かけることがあります。
Deep Plane Faceliftは、SMASと頬部の軟部組織を一体として動かし、支持靱帯を適切に解放したうえで再配置するフェイスリフト術式の一つです。
それでも後戻りが起こるケースはあります。
その理由は、手術手技だけでは説明できません。
顔の脂肪量や脂肪の分布、皮膚の質、靱帯の状態、加齢変化、体重変化など、さまざまな要素が長期的な輪郭に影響します。
Deep Plane Faceliftは、
皮膚だけを引っ張る手術ではありません。
SMASやリガメントを適切に剥離・解放し、本来の位置へ戻して固定することで、自然な若返りを目指します。

例えるなら、
たるんだテントの布を引っ張るのではなく、固定しているペグ(杭)を打ち直して張り直すような手術です。
しかし、顔の輪郭は術後も加齢や重力、体重変化などの影響を受け続けます。
脂肪量が多い方では、その量や分布によってフェイスラインや顎下の輪郭に影響が出やすいことがあります。
ただし、「脂肪が重いほど縫合部や支持組織に負荷がかかり、Deep Planeが早く後戻りする」と直接証明されているわけではありません。
そのため、脂肪の量だけではなく、皮膚の質、靱帯の状態、加齢変化、体重変化などを含めて考える必要があります。

「もっと強く引き上げれば長持ちする」
そう考えられがちですが、実際にはそれだけではありません。
長期成績を考えるうえでは、引き上げる強さだけでなく、脂肪の分布や皮膚の質、支持組織の状態、体重変化まで含めて評価することが重要です。
そのためには、
• どの脂肪を残すべきか
• どの脂肪を減らした方が良いか
• 脂肪吸引を組み合わせた方が良いのか
を術前に正確に評価する必要があります。
脂肪を取り過ぎれば不自然になりますし、残し過ぎれば輪郭形成が不十分になることもあります。
そのバランスを見極めることが、自然な仕上がりにつながります。
「フェイスリフト専門」
「脂肪吸引専門」
という考え方ではなく、
患者さんごとに最適な治療を組み合わせることが重要です。
脂肪が少ない方ではフェイスリフト単独が適していることもあります。
一方で、皮下脂肪のボリュームが多い方では、適切な脂肪吸引を組み合わせることで、よりバランスのよい輪郭を作れる場合があります。
ただし、脂肪吸引を併用することでフェイスリフトそのものの効果が何年間延長するかについては、現時点で十分な長期比較データはありません。
つまり、
Deep Plane Faceliftが万能なのではなく、その方に合わせた設計が重要なのです。
Deep Plane Faceliftは非常に優れたフェイスリフト術式ですが、「11年もつ」という数字だけが独り歩きしてしまうのは正確ではありません。
論文が示しているのは、「再手術を受けた患者さんでは平均約11年後に再手術が行われていた」というデータです。
また、フェイスリフトの長期成績は術式だけで決まるものではなく、脂肪量や脂肪の分布、皮膚の状態、加齢変化、体重変化などさまざまな要因が影響します。
フェイスリフトは「○年経ったら突然元に戻る」手術ではありません。手術によって一度若い状態へ戻し、その後はそこから再び加齢が進んでいく、と考える方が実態に近いと思います。
だからこそ私たちは、単純に「強く引き上げる」のではなく、
どの脂肪を残し、どの脂肪を減らし、どの術式を組み合わせるかまで含めてデザインすることを大切にしています。
一人ひとりの解剖や組織の状態に合わせた手術計画こそが、自然で、そしてできる限り長持ちするフェイスリフトにつながると考えています。
「11年」という数字は、再手術を受けた患者さんの平均時期を示した研究結果です。すべての患者さんの効果が11年間続くことを意味するものではありません。
はい。どのフェイスリフトでも加齢や重力の影響は受けます。ただし、適切な手術計画によって長期間良好な状態を維持できる可能性は高まります。
すべての方に必要ではありません。皮下脂肪の量や顔全体のバランスを診察したうえで、組み合わせることでより良い輪郭が得られると判断した場合に併用します。
必ずしもそうではありません。過度な牽引は不自然な仕上がりにつながることもあります。重要なのは適切な層を適切な方向へ挙上し、組織への負担を考慮したデザインを行うことです。

監修者
近藤曉
頭頸部再建医・形成外科専門医
【 切開リフト 】若返り・たるみ治療
”不自然な変化ではなく自然で調和の取れた仕上がりにこだわります”