コラム
2026/03/03
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顎下(あご下)のふくらみが気になり、
脂肪吸引をしたが改善しなかった
「フェイスリフト後も顎下だけがすっきりしない」
「横顔のラインをよりシャープにしたい」
といったご相談を受けることがあります。
その原因の一つとして挙げられるのが 顎下腺(がくかせん) です。
本記事では、顎下腺部分切除について、適応・リスク・注意点を医学的観点から解説します。

顎下腺は、唾液を分泌する「三大唾液腺」の一つです。
三大唾液腺
・耳下腺(じかせん)
・舌下腺(ぜっかせん)
・顎下腺(がくかせん)
耳下腺は主にサラサラした唾液(漿液性)を、舌下腺は粘度の高い唾液(粘液性)を分泌します。
顎下腺はその両方を分泌する「混合腺」であり、下顎骨の内側・顎の下に位置します。
体質や骨格によっては、この顎下腺が外見上のふくらみとして目立つことがあります。

顎下のボリュームは、必ずしも顎下腺が原因とは限りません。
主な原因としては、
・皮膚
・皮下脂肪
・広頚筋
・骨格の問題
・顎下腺の肥大
などが挙げられます。
実際には脂肪やたるみによるケースが多く、顎下腺が原因となる症例は限定的です。
そのため、触診やエコー検査などによる正確な診断が重要になります。

美容目的で行う場合、顎下腺をすべて摘出するのではなく、突出部分のみを部分的に切除する方法が一般的です。
目的は、顎下の膨らみを軽減し、フェイスラインをより明瞭に整えることです。
特に以下のようなケースで検討されます。
・ 脂肪吸引後も顎下のふくらみが残る
・骨切り後にフェイスライン中央下部分の一部膨らみが気になる
ただし、慎重な適応判断が必要な手術です。

顎下腺は唾液分泌に関与しているため、切除により唾液量が減少する可能性があります。
考えられる影響:
・口腔乾燥(ドライマウス)
・口臭リスクの上昇
・虫歯リスクの上昇
どの程度唾液が減少するかは個人差があり、正確な予測は困難です。

顎下腺の直上には多くの場合、顔面神経が走行しています。
これを損傷すると、口角の左右差などが生じる可能性があります。
高度な解剖知識と慎重な手術操作が必要です。

顎下腺肥大の背景としては、
・先天的体質
・過食嘔吐の既往
・骨切り術後の位置関係変化
などが指摘されています。
ただし、原因を特定できないケースも少なくありません。重要なのは、「なぜ大きいか」よりも「本当に顎下腺が原因かどうか」を診断することです。
顎下腺部分切除について、YouTubeでも解説しています。ご覧ください。
顎下腺は唾液分泌を担う重要な組織です。
美容目的の場合、機能的なリスクを説明してから部分切除を行いますが、唾液量が減少する可能性があります。また唾液漏と呼ばれる唾液の漏出のリスクがあります。十分な説明を受け、リスクを理解したうえで判断することが重要です。
理論上は唾液分泌量が減少する可能性があります。
ただし、他の唾液腺も存在するため、必ず強いドライマウス症状が出るとは限りません。個人差があります。
舌神経や顔面神経の枝が近接しているため、損傷リスクはゼロではありません。
神経は必ずしも断裂によって起こるものではなく触っただけでも障害のリスクがあるものです。
経験豊富な医師による慎重な手術操作ももちろんですが十分な理解が必要です。
脂肪吸引は「脂肪」を除去する施術です。
顎下腺切除は「唾液腺組織」を対象とします。
原因が脂肪であれば、顎下腺を切除する必要はありません。

監修者
技術指導医矢後博基
韓国では不可能な”made in Tokyo”の美しさを
代表論文IF11.0
医学博士Ph.D.日本形成外科学会専門医、ガイドライン作成委員、日本美容外科学会正会員(JSAPS)
BLINC CLINIC技術指導医