コラム
2024/08/23
「韓国の美容整形は本場だし安いから、韓国旅行ついでに受けてこよう!」という人は、たくさんいらっしゃいます。でも、受けようと考えているその美容整形、本当に韓国で受けるのが適切なのか、一度考えてみませんか?今回は韓国で美容整形を受けるにあたって、なぜ韓国が美容整形の本場なのか、韓国で受けるのがおすすめの施術、韓国で美容整形を受けるにあたっての注意点を解説します。
結論から言うと「施術による」が答えです。美容整形全てが韓国が最高というわけではなく、いかに韓国といえども得意なカテゴリー、苦手なカテゴリーがあるということを、頭に入れておきましょう。
後ほど詳しく述べますが、韓国の美容整形業界が得意とするのは「骨切り」「鼻の整形」「皮膚科治療」この辺りです。逆に「脂肪吸引系」・「二重埋没」であれば日本の方がレベルは高いですし、「お尻やお胸の脂肪、インプラント注入」なら欧米・中南米が得意となります。
韓国が美容整形の本場である理由は、
・宗教
・民族
・国家の後押し
この3つが大きな理由です。具体的に解説します。
韓国は中世以降、儒教が国の統治に使われ、現代でも儒教的な考え方が生活の中に色濃く残っています。あまり知られていないかもしれませんが、儒教の教えではものすごく外見を重視します。就職活動でも受験でも、外見が良い人、可愛い人が非常に有利です。そのため、韓国では10代のうちに親が「あなた整形してきなさい」と子供を整形させるのは当たり前。当然、親も整形しています。そういう宗教上、文化上のバックグラウンドがあるため、韓国は美容整形が非常に盛んになっているのです。
韓国は日本のお隣なので、人種的にも似たようなものと思いがちですが、日本人は大和民族、朝鮮人は朝鮮民族と、人種が異なります。人種が異なると顔立ちや骨格も当然異なります。具体的には、朝鮮民族は頬のエラが張っている、いかつい顔立ちをしているのが特徴です。KPOPのアイドルを見るとみんな卵型の小顔ですが、あれは本来の朝鮮民族の顔立ちではありません。つまり、皆さん顔の輪郭を丸くする「骨切り」を、行っている人が非常に多いです。
そして、骨切りは顔の骨を切るという難易度も危険度も高い手術です。難易度の高い手術の症例を多く持っている=韓国の美容整形はすごいというイメージが育まれてきました。
そして、韓国は美容整形を国家事業として推進しています。似たようなパターンで知られているのがKPOPや韓流ドラマなどの韓流エンターテインメントの輸出です。国がここまでバックアップする理由としては、韓国は内需が少ないことが挙げられます。韓国は日本の人口の半分ですし、企業としても国際的に知られているのはヒュンダイやサムスンくらいです。国内だけを相手にしていたのでは売上に限界があるため、政府主導で事業の輸出を行い、その結果、現在の韓流エンターテインメントや美容整形の隆盛が生まれています。
一方、日本の場合は、内需が非常に大きいため、これまでグローバルマーケットを向く必要性がそれほど高くなかったという状況があります。例えば銀座の美容クリニックがたくさん並ぶ通りを、日本政府が「整形ストリート」としてバックアップするイメージはあまり湧きません。でも、韓国の場合は江南がそういうエリアですし、国も力を入れて外国人旅行客の整形ニーズに応えようとしています。
韓国で受ける美容整形としておすすめなのは、
・骨切り、鼻の整形
・皮膚科治療
上記2つです。
最初に朝鮮民族は頬のエラが張っている、四角い顔をしていると述べました。こうした顔立ちを丸く小顔にするには、顔の骨を丸く削る必要があります。民族的に求められる施術なので、当然施術数や知見の蓄積も多く、骨切りのレベルは韓国が世界一だといって良いです。鼻の整形も伝統的に韓国は施術数が多く、高いレベルを保っています。
皮膚科治療に関しても、韓国発のレーザー治療や最新マシン、施術が次々出るため、おすすめしやすいです。最先端の施術を受けることができ、さらに安いというのは魅力に感じる人が多いのではないでしょうか。また、ボトックスやシミ抜き、ヒアルロン酸注入などは、施術自体が軽く、リスクが少なく時間も取られないので、韓国旅行のついでに受けるのに合っています。
韓国で美容整形を受ける場合には、
・必ずしも全てのジャンルが最高レベルとい
うわけではない
・その病院が本当に安心なのか
・海外の病院を利用する上でのリスク
を慎重に検討する必要があります。
実は、脂肪吸引系は日本の方がオススメ。当院には韓国で美容整形手術を受けた方が、1日に2〜3名くらいは来院されます。最も多いのは「口横の脂肪吸引を韓国で受けたが、取り切れていないので除去してほしい」というもの。
あくまで私見ですが、韓国は脂肪吸引に関して、それほどレベルは高くない印象です。
理由としては、朝鮮民族と大和民族の違いが大きく影響していると思われます。朝鮮民族はエラは張りますが、顔の下部への脂肪はそもそも少ないです。逆に大和民族はエラはあまり張りませんが、顔の下部の脂肪は溜まりやすく、下膨れや口元のたるみに悩む人が多く見られます。
つまり、朝鮮民族はそもそも脂肪吸引のニーズが少ないため、手術の症例も蓄積が少ないのです。むしろ、日本国内のクリニックの方が脂肪吸引に関しては長けている、それはニーズのある顔立ちが大和民族に多いから、と考えられます。顔の脂肪吸引をお考えの方は、日本国内で受けた方が無難かもしれません。
韓国で美容整形を受ける際に、「広告やSNSでインフルエンサーがおすすめしていたから」という理由でクリニックを選ぶ方がいます。これは危険なのでおすすめしません。必ず、「カンナムオンニ」のような美容医療情報アプリで口コミをチェックし、利用者のレビューが良いクリニックを選びましょう。日本人の知人からおすすめのクリニックを紹介してもらうのも有効です。
韓国では美容整形クリニックに行った際にドクターではなく、「室長」という肩書きの人が、カウンセリングをしたりCTを取ったりするケースがよく見られます。この「室長」は医療的な資格は持っていないため、正確な診断等はできませんし、当然施術もしません。そのため、自分がどんな施術を受けるのか、室長と話してもよく分かりませんし、不十分な説明で選んだ施術が実は適切ではなかった、ということがあり得ます。必ず、ドクター自身がカウンセリングをしてくれるクリニックを、前述のアプリや口コミ等でしっかり見定めましょう。
韓国に限らず、海外で手術を受ける場合全てにいえることですが、何かあった場合も全て自己責任、自己対応になる覚悟が必要です。韓国で手術をうけ、日本に戻ってから手術箇所にトラブルが起こった場合、LINE等でクリニックに連絡しても無視される、まともな対応をしてもらえないという話もよく耳にします。
緊急での対応が必要な場合も、国内のクリニックで手術を受けたならそこに行けば良いですが、韓国のクリニックで受けた手術だと、自分で対応してくれる国内のクリニックを探さなければなりません。
身体、金銭的に大きな損害になっても、国際訴訟を起こすのはハードルが高く、泣き寝入りとなってしまうケースがほとんどです。
韓国での美容整形はしっかり下調べしよう!
韓国は美容整形が盛ん=手軽に受けられて安いというイメージで、非常に気楽に美容整形をしにいく方を多く目にします。
そういった一面もありますが、どこで美容整形を受けようと自分の顔や体にメスを入れる、薬剤を注入するのは、身体的なリスクを伴うものです。
今回の記事を参考にして、果たして自分が受ける美容整形を韓国で行うことが適切なのか、そのクリニックが一番リスクがないと自信を持って言えるのかをよく考え、下調べをしてから韓国での美容整形に臨んでほしいと思います。
監修者
院長柳川 央徒
【バブみ輪郭】
数ヶ月先まで予約が取れない、日本で唯一 "バブみ"に特化した輪郭整形専門医。
小顔治療通算3000例以上。
他院修正、著名人も、多く担当。