コラム
2024/07/22
結論からお伝えします。
顔の脂肪吸引後には、絶対にフェイスバンドをしてください!
理想は72時間つけ続けることですが、それが難しい場合には、
上記が、この記事で推奨するフェイスバンドの使い方になります。くれぐれも「脂肪吸引後にフェイスバンドをつけなくても大丈夫」と謳うクリニックを選ばないようにしましょう。
フェイスバンドには、
といった目的があります。フェイスバンドの果たす役割はかなり重く、代替手段がないということをまずはしっかり認識しましょう。それぞれの内容を詳しく説明します。
脂肪吸引の中でも特に顎下は、術後に血が溜まりやすくなります。血が溜まると血腫ができることがあり、気管を圧迫したり、感染症の原因になります。フェイスバンドをすることで血が溜まる隙間をつくらず、血腫ができるのを防ぎます。
脂肪吸引をした後、皮膚の下がどのようになっているかというと、脂肪が抜けてスカスカ
になっています。隙間がたくさんあいたスポンジのような状態をイメージするとわかりやすいでしょう。このスポンジ状態を上からフェイスバンドでグッと抑えて、深い層(筋膜)と浅い層(皮膚)としっかり癒着させることで、より綺麗に仕上がります。
脂肪吸引手術後は施術箇所が炎症をおこしたり体液が溜まることで、腫れやむくみが発生します。皆様も、足のむくみを予防するために、加圧ストッキングを履いて寝た経験があると思います。それと同様に、外圧を加えることで、体液(滲出液)が局部に溜まりづらくなり、腫れを最小限にすることができます。
さて、このように重大な役割を果たしているフェイスバンドをしないことで、
といった、かなり重めのトラブルを引き起こします。生死に関わるリスクがありますし、フェイスバンドをしなかったために十分な効果が得られず、何度も手術を繰り返すということも。リスクについてしっかり知っておきましょう。
フェイスバンドをしないことにより、血が溜まり血腫ができます。顎下などの気管に近いところを手術した場合、血腫により気管が圧迫され、最悪死亡します。
また、気管に近くなくとも、血腫ができるとそこに細菌が繁殖し、全身に菌が運ばれることによって感染症に罹患するリスクがあります。
癒着が不十分なため、想定より小顔にならない
脂肪吸引後の、スポンジのようにスカスカになった箇所をギュッと抑えて癒着させることで、スポンジが縮んでくっつくので、小顔になります。
フェイスバンドで上から抑えないとぎゅっと縮んで癒着しないため、せっかく手術をしても小顔効果があまり感じられないということが起こります。そして、癒着させるためには最初の24時間-72時間がゴールデンタイムです。このタイミングを逃すと、その後いくら上から抑えても効果はありません。何度も脂肪吸引手術をする方は、癒着が不十分なためせっかく手術しても満足のいく効果が得られていないという方が多いです。
フェイスバンドで十分に圧迫をしないと、脂肪吸引をした箇所は内部がスポンジのようにスカスカな状態のまま安定します。内部がスカスカなため、歳をとると施術箇所は垂れやすくなります。
ダウンタイムが長くなり、なかなか腫れがひかない
フェイスバンドをしないと、術後の滲出液が患部に止まり続けます。ダウンタイムが長くなり、なかなか腫れがひかないため、痛みも見た目も気になり、QOL(Quality of life 生活の質)が下がります。
そんなにフェイスバンドが重要なら、なぜフェイスバンドをしなくても良いと謳っているクリニックがあるのか不思議に思う方もいるかもしれません。これはズバリ集客のためで、煩わしいフェイスバンドをしなくて済むクリニックの方が、術後に楽で良いと感じてお客様からは選ばれやすいです。しかし、これはここまで説明したように間違っています。要注意クリニックがよく発信している謳い文句を紹介します。こういったクリニックを選んではいけません。
通常の脂肪吸引には3mm程度の吸引管を使いますが、近年1.4ミリ、1.5ミリ程度の細い吸引管が登場しました。それを使い施術をすることを脂肪吸引注射と呼び、「細い管なので、出血が少ない」「体への負担が少なくて安心」さらには「脂肪吸引注射だから術後のフェイスバンド不要」とまで謳っているクリニックがあります。騙されないように気をつけましょう。
まず、脂肪吸引注射でも出血は必ずあるので、血腫ができるリスクは無くなりません。また、通常の脂肪吸引でも脂肪吸引注射でも、脂肪を抜いた箇所がスポンジのようになっているのは同じです。だから、フェイスバンドで上から抑えないと癒着せず、小顔効果が十分に出ません。
このように「脂肪吸引注射=フェイスバンドしなくて大丈夫」という理論は破綻しています。絶対にこのようなクリニックを選ばないようにしましょう。
さらに、技術が稚拙なクリニックによくあるのが、脂肪吸引注射による脂肪除去が不十分なケース。太い管より細い管の方が吸引できる脂肪の量が少ないため、クリニックによっては脂肪吸引注射の際の脂肪の取り残しが多く何度も手術を要することがあります。当院にもそういったお客様がよく他院からご来院されます。
また、「糸リフト」を同時に施術すれば、フェイスバンドをつけるのと同じ効果が得られると謳い、脂肪吸引と糸リフトの両方の施術を勧めるクリニックも見られます。
確かに「脂肪吸引+糸リフト」という組み合わせ自体は、術後の癒着を優位に働かせる、医学的なエビデンスがあり、有効なことです。しかし、糸リフトがフェイスバンドの代わりになるというのは大きな間違いです。フェイスバンドは上から圧迫して外圧を加えるのが目的ですが、糸リフトだけでは全くその役割が果たせません。代替手段にはなりませんので、このようなクリニックも選ばないよう気をつけましょう。
脂肪吸引手術に臨む前に以下を徹底しよう
さて、フェイスバンドをすることの重要さは理解していただけたかと思います。最後に脂肪吸引手術に臨む前にどのような準備をすればよいのでしょうか。重要なのは以下3点です。
手術当日から72時間は普段と全く生活が変わるということを頭に入れておきましょう。それぞれについて詳しく解説します。
まず、脂肪吸引後はフェイスバンドをつける案内をしていることはもちろん、クリニックでフェイスバンドを処方し、付け方まで指導してくれるクリニックを選びましょう。フェイスバンドは圧迫が強すぎても弱すぎても正しい効果を発揮できません。
また、たまに市販されているフェイスバンドを使うので処方しなくて良いという方がいらっしゃいます。その場合も、必ず装着予定のフェイスバンドを医師に見せて問題ない製品か確認をとりましょう。クリニックが処方する医療用のフェイスバンドと市販されている美容用のフェイスバンドでは構造や強度が異なります。くれぐれも自己判断しないようにお願いします。
脂肪吸引の手術後はフェイスバンドをつけて帰宅するため、顔が見えないようにバケットハットのような深めの帽子やマスクを持参して下さい。たまに持参を忘れてフェイスバンドを外して帰宅される方がいますが、絶対に止めましょう。前述したように「癒着させるためには最初の24時間が勝負」です。この24時間はフェイスバンドを外すのは極力避けなければなりませんし、まして術後すぐはしっかり固定しなければなりません。
当院の場合、万が一、帽子やマスクを持参するのを忘れた方がいたら、当院に用意している帽子を差し上げますので、それをかぶってフェイスバンドをした状態でお帰りいただきます。
ここまでフェイスバンドを必ずつけることと声高に述べてきました。とはいえ、フェイスバンドをしたまま生活をするのは結構大変です。初日は頑張って付けっぱなしにするとしても
、食事も食べづらいですし、仕事があれば周りの目が気になります。
だから、フェイスバンドをつけていても問題ないスケジュールを事前に組むことが大切です。会社員であれば、金曜日は有給休暇を取り土日は休みという3連休にすれば、フェイスバンドをつけた生活をしやすいのでおすすめです。
とはいえ、シフト制の仕事だったりさまざまな事情で、3連休を取れなかったり平日ど真ん中の手術になってしまうということもあると思います。その場合は初日は仕事を休みにして、翌日以降は出勤中は外したとしても家に帰ったら必ずつける、就寝中もつけるということが大切です。本当は72時間つけて欲しいですが、最低24時間、それを過ぎたら可能な限り装着しておくというのが最低限と考えて、生活スケジュールを立てましょう。
さらに、72時間経過後もフェイスバンドを装着する方がいますが、これは全く意味がないどころか治癒に関して逆効果です。脂肪吸引後は72時間は圧迫、その後は緩めて血流をよくするというサイクルがあるので、長期間つけていれば良いというものではないことも知っておきましょう。
脂肪吸引後はフェイスバンドは必ずつけなければなりませんし、そのように指導しているクリニックを選ぶことが大切です。フェイスバンドをつけなくても良いと謳っているクリニックは「ブレーキなしの車だけど安心です」と集客している車屋さんと同じです。そんな車には乗れませんよね?繰り返しますが、脂肪吸引後のフェイスバンドは絶対です。
もちろん当院は脂肪吸引後のフェイスバンド装着を徹底しています。安全のため、せっかくの手術の効果をしっかり得るため、フェイスバンドを装着しましょう!
監修者
院長柳川 央徒
【バブみ輪郭】
数ヶ月先まで予約が取れない、日本で唯一 "バブみ"に特化した輪郭整形専門医。
小顔治療通算3000例以上。
他院修正、著名人も、多く担当。